HOME >テアプラインナップ >次の出発
■STORY■
とある川辺の土手。土手の上にはバス停を思わせる標識。川辺にはそこが船着き場だと思わせる桟橋。 そこに舟で到着した[カメラ]と[ご夫人]。どうやら二人は旅行の途中らしいが、いつの間にか二人に付いてきたのは、言葉のわからない旅の[道連れ]。 そこからバスで街へと向かおうとするが、バスはなかなか来ない。 [船頭]は一日に一度、船で往復しているという話だが、度々現れる。 [道連れ]は、[カメラ]の息子だと言っているようだが、何を言っているかわからない。[白菊]は、墓参りに行ったかと思えば、[船頭]に連れられ、またやって来て薬を買いに町へ出ようとしているし、[新聞紙]も競馬のために街へ出ようと試みるも待ちくたびれて一度バスを諦めたかと思えば、しばらくすると職を探すためにバスを待っている。バスの[運転手]はいるが、バスは来ない。 何度も来る夜には、必ず現れる若者たち。どこか北の方からこの土地にやってきた者のようだが、しばらく対岸の村に滞在し、夜には必ずこの土手に集まってくる。幻覚作用のあるクスリを所有しているようで時々おかしな言葉を口にするが、それはどこかで聞いたことがあるような神話であったりする。 そして、ときに3人の女達が現れる。彼女たちも対岸の村に住む者たちだ。彼女たちによって、徐々に明らかになるのは、これが単にバスを待つ話ではないということだ。 バスはいつまで経っても来ないが、バスを待っている時間、他者との出会いを通して、[カメラ]と[ご夫人]は自分たちの旅の意味を見いだしていく。 時間と空間を緩やかに跳躍させる方法「変容」と、「存在」というテーマを引き継ぎ、高行健の戯曲『バス停』を下敷きに、『日本書紀』の神代の巻、内田百門の短編『道連』/『水鳥』、ベケットの『ゴドーを待ちながら』などの「ことば」が渦を巻き、一場ものの様相を呈しながらも、次第に変容を遂げていく。
■CAST & STAFF■
作:黒沼佰見 演出:倉光仁美 照明:木藤 歩 音楽・音響:渡辺 禎史 舞台監督:吉川 悦子 出演:杉田健治、菊地奈緒、小池友洋 江原大介、藤田早織、能登谷智生 戸田武臣、渡辺さおり 丸二明紀子、伴田万理子、筒井きえ 佐糖勇樹、長瀬良嗣
公演データ