HOME >テアプラインナップ >机上風景第十四回公演「幻戯」
■STORY■
ある高名な俳優がこう書いていた。売春の現場は客ひとり役者ひとりの「舞台」であり、娼婦はみな「女優」であると。なるほどと思った。が、けっきょく今日まで女性を買ったことはない。ただなんとなく「舞台」に上がる機会を逸したまま歳を重ねてしまった。 にもかかわらず売春の現場を描こうと思ったのは、これもやはりただなんとなくである。昔日の面影を留めた遊郭を舞台に、謎めいた男と、謎めいた娼婦の一夜を描く。堅苦しい売春論も展開せず、濡れ場も見せず、ただなんとなく。それは「ただなんとなく」女性を買わずにきた自身といやでも対話するということだ。苦労している。買う理由は自明なのに、買わない理由は言葉にならない。 「なんとなく」の向こうにあるものは、たぶんあまり愉快な結論ではない。それでもかたちにしてみようと思う。「舞台」を舞台にしてみようと思う。あてどなくさまようひとつの「性」の在り様を物語にしてみようと思う。 (チラシ裏・作者の言葉より)
■CAST & STAFF■
作・演出=高木 登 照明=千田 実(CHIDA OFFICE) 音響=堀越竜太郎 舞台美術=袴田長武+鴉屋 舞台監督=福田 寛 宣伝美術=佐藤友香 写真撮影=山田大輔 ビデオ撮影=安藤和明(C&Cファクトリー) 制作=机上風景制作部/島田敦子・田中絵美(J-Stage Navi) 出演=平山寛人 加藤更果 石黒陽子 浜 恵美 浜野隆之 村上由起 美穂丸 古川大輔
公演データ