HOME >テアプラインナップ >携帯魔神サンボン
■STORY■
大人になってみてわかったことは、大人はかっこわるいということである。 「すいません」という大人はたくさんいる。しかし「どんなもんだい」という大人はいない。 連日、テレビには、長机に3人ぐらい並んで、頭下げている大人がたくさんいる。 かっこわるい。 かくゆう僕もかっこわるい。 そんな僕が去年の夏、「魔神」を出してみようと年甲斐もなく思った。その時、僕は携帯の液晶が壊れて、真っ黒な裂け目が画面にできてしまった。でも、ずっと使っていた。携帯を開く度に、真っ黒な裂け目は少しづつ広がっていた。この携帯の画面の裂け目が、異次元につながっているような気がした。壊れた液晶の画面を相手に向けて、なにか特別な呪文でも称えれば、この携帯の裂け目からなにか人格のあるものが召還できそうな気がした。 液晶を書類の束にむけて言ってみた 「出でよ大魔神」 年甲斐もなくやってしまった。 やってきた魔神はきっと私の書類の山を手伝ってくれるはずであった。そのあとのうるさい上司の小言も、マナーモードにしてくれるはずだったそのあとの私のぼやきなんか半額か家族割りで聞いてくれるはずだ 年甲斐もなく、そんな魔神がいてくれたら、格好いいことうけあいである。 しかし、いまだ見ぬ当の魔神が、かっこいいかどうかはわからないのが問題だ。
■CAST & STAFF■
劇作:中島充雅 演出:沓名稔 出演:渡辺紀子、近藤文拓(劇団アルデンテ)、川瀬真由子、清水康弘、荒井大輔、上田晶(劇団アルデンテ)、松岡良幸(劇団アルデンテ)、沓名稔、他 スタッフ:近藤菜穂、佐々木厳、市橋佳代子、他
公演データ